65.口腔ケアの勧め高齢社会の中では、障害を持った高齢者が増えるにつれて、口腔の働きや機能の改善等をサポートする事が必要となってきます。 健康でいる時は、空気のように当たり前に感じる口腔の機能も、一度障害を起こすと様々な問題が生じてきます。口腔機能の障害が起きると、細菌数が急激に増加し口腔のあちこちに定着します。さらに、このような障害が往々にして嚥下機能の低下を招きます。 時に、食物の一部や唾液とともに口腔内の細菌が気管に入り込んでしまう「誤嚥性肺炎」という肺炎を生ずることがあります。特に寝たきり者の発熱原因の1つに数えられ、重い症状を引き起こす場合があると言われています。 それ故、口腔ケアはこのような嚥下という口腔内の機能が正常に働くように、歯科医師や歯科衛生士、その他の関連分野の人々の共同作業として実施され、寝たきり者をはじめとする高齢者の健康の保持・増進に大きな役割と意義を果たすものです。
64. 電動歯ブラシの使い方 | まず歯ぐきを傷付けないように磨く前にブラシに水を付けてから、水や唾液が飛び散らないように口の中に入れてからスイッチを入れてください。 1ヶ所当たり2〜3秒程度当てて次の場所に移ってください。 他人の歯を磨くには、角度、運動方向など難しいので、先端が円形で方向の制約が無く高速で動く反転回転方式の電動歯ブラシが有効です。 振動式の電動歯ブラシですと、術者(介護をする人)が無理な姿勢になりがちです。 |
63. 電動歯ブラシの角度について電動歯ブラシを当てる角度は、歯面に垂直に当てるのが基本ですが、歯列の奥で歯ブラシが入りにくい場合は当てやすい角度でもいいです。歯ブラシ先端部は、歯の表面に45度から90度の角度で、歯と歯肉の境目に毛先が当たるようにします。頬側と舌側に分けて磨き残しがないように、起点と終点を決めて口腔内を「一筆書き」でブラッシングしましょう。
62.舌ブラシで舌苔を取りましょう舌ブラシで舌の奥から手前へ10回軽く擦り、舌苔を取りましょう(約30秒)
前回口腔ケアスポンジの話をしましたが、スポンジは軟組織の食物残渣除去に効果がありますが、歯面の歯垢の除去効果は少なく、これを除去するには歯ブラシが必要です。
今回は舌苔の除去について書きます。 舌苔は細菌の温床で口臭の原因とも言われています。 舌を清掃する場合は舌尖部をガーゼで把持し、口腔外に軽く引っ張って舌ブラシで口腔ケアを行うと効果的です。 無理に引き出すと舌乳頭を傷つけたり、嘔吐反射を誘発し口腔ケアの拒否につながるので注意が必要です。
61.口腔ケアスポンジの使い方 | まず、口の中の粘膜(頬、歯肉、口蓋)にくっついた食べかすや歯垢を取り除きます。 柔らかいスポンジなのですが、従来の綿棒に比べ清掃効果が高いと思います。 使い方は、スポンジに付着した汚れをコップに入れたうがい薬(イソジンガーグルなど)で洗い落としながら、粘膜上で回転させるとより効果的だと思います。
うがいの出来ない人は、水分を少なくしてください。
ほとんどの高齢者は、口腔粘膜が非薄化しているため傷つきやすいので、口腔ケアスポンジは必ず濡らして粘膜面を傷つけない強さで清掃しましょう。 また、清掃する順番を決めて行いましょう。 まずは、1分間。 |
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